『5D光学ストレージ』をご存じでしょうか。構想が世に出たのはかなり前。クリスタルを使ったデータストレージで、1枚のクリスタルに360TB以上記録でき室温で138億年データを保持するという期待のメディアです。そんな『5D光学ストレージ』ですが、まだ実用化は先のようです……。


今日は5D光学ストレージについて勉強しましょう。これは非常に高密度で長期間のデータ保存が可能な新しい記録媒体です。

5D光学ストレージ? それって何ですか?
2Dや3Dとどう違うんですか?

2Dや3Dというのは、データを記録する際に使われる空間的な次元のことです。例えば、CDやDVDなどの光ディスクでは、データは円盤の表面にレーザーで焼き付けられるので、2次元的な記録媒体と言えます。

なるほど。では3次元的な記録媒体というのは?

3次元的な記録媒体というのは、データを円盤の厚み方向にも記録することで、より多くの情報を格納できるものです。例えば、Blu-ray Discでは、複数層のレイヤーにデータを書き込むことで容量を増やしています。

へぇ~。でもそれでもまだ3次元じゃないですか? どうやって5次元になるんですか?

そこがポイントなんですよ。5D光学ストレージでは、空間的な次元だけでなく、時間的・偏光的な次元も利用します。

時間的・偏光的……?
それってどういうことですか?

時間的というのは、データを記録する際に使われるレーザー光のパルス幅やパルス間隔を変化させることで意味づけすることです。偏光的というのは、レーザー光の振動方向や位相差を変化させることで意味づけすることです。

すごい! それだけでも複雑そうなのに…

さらに驚くべきことに、5D光学ストレージでは記録媒体としてクリスタルを使います。

クリスタル? 石みたいなもんですよね?

そう見えますが、実際には非常に微細な構造を持った物質です。クリスタル内部では原子が規則正しく並んでいますが、その並び方や結合力が物質ごとに異なります。そのため、クリスタルは様々な物理的・化学的特性を示します。例えば、水晶は三方晶系という結晶構造を持ち、圧電性という特性を持ちます。

圧電性ってなんですか?

圧電性というのは、物質に力を加えると電気が発生する現象です。逆に言えば、物質に電気を加えると形が変わる現象でもあります。水晶では、この圧電性を利用して振動子というデバイスを作ることができます。

振動子??

振動子というのは、一定の周波数で振動するデバイスです。水晶振動子では、水晶に電気を加えることで水晶が微細に伸縮し、その伸縮運動が周波数安定な振動信号を発生させます。この振動信号は時計やコンピュータなどの精密なタイミング制御に使われます。

ふむふむ。それって5D光学ストレージとどう関係あるんですか?

5D光学ストレージでは、水晶内部にレーザー光で微小な損傷点(ナノグラティング)を作ります。これらの損傷点はクリスタルの配列や結合力を変化させることで、時間的・偏光的な情報も記録することができます。

すごい! 容量や寿命も凄いんですか?

そうですね。5D光学ストレージでは、一枚のクリスタルディスクに360テラバイトものデータを記録することが可能です。また、室温では実質無制限の寿命でデータを保持できますし、190℃の高温でも138億年も耐えられます。

138億年!? それって宇宙の年齢より長いじゃないですか!

そうなんですよ。5D光学ストレージは人類史上最も永久的な記録媒体だと言えますね。美術品や歴史文書など貴重な情報を保存するのに最適です。

博士、5D光学ストレージはどんな場面で使われるんですか?

5D光学ストレージは、美術館や公文書保管所など膨大な情報を保存するのに最適です。例えば、ユネスコの世界記憶遺産に登録されている貴重な文書や写真などを5D光学ストレージに保存することで、永久に後世に伝えることができます。

それはすごいですね。他にも何かありますか?

実は、私たちは最近、人類史上初めて5D光学ストレージを宇宙空間に送りました。国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された小型衛星「キュービー」が持っているディスクには、地球の歴史や文化を紹介する動画や音楽などが記録されています。

それは何のためですか?

これは、地球外生命体とのコミュニケーションの試みです。もしも彼らがこのディスクを見つけたら、私たちの存在やメッセージを知ることができます。また、このディスクは地球から離れても138億年も耐えられるので人類が滅亡しても私たちの記録が残ります。

それは感動的です…
博士は本当によくご存じですね…

まあまあ…そんなこと言われても恥ずかしいですわ…でもありがとう…(照)
はい、てなわけで。前回に引き続いて、Bing Chat AIに原稿を書いてもらった5D光学ストレージについての「おべんきょしましょ」でしたー。やんややんやー。この光学ストレージに関しては20年以上前から技術的には知られていて、実用化が待たれているものなんですよねー。最新の情報では、書き込み速度の課題もクリアしつつあるようで。実現されたらデータレイクのコスパも大幅に改善できるかもですねー。期待してしまいます、はい。
(たけぽん@NECO家)
参考


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