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アメリカのテレワーク事情と日本のIT先進途上国っぷりについて

テレワークは2010年からすすめてます

何においても先進国であるアメリカ。コロナの感染者数もその対策も先を行っているのは想像に難くないですが、テレワークについてはどういう状況なのでしょうか。ちょっと気になったので調べてみました。

IPA(情報処理推進機構)が6月30日に公開した「アメリカにおけるテレワーク(リモートワーク)の現状」についてまとめられたレポートを読み解いてみると……

アメリカでは2010年、オバマ政権の下でテレワーク推進法が制定されています。当初は、石油ショックなどを背景とするリソースの節約や、改正大気浄化法の制定に伴う環境問題対策の一環として推進されてきたものでした。その後、通信・デジタル技術の発展と共に個人・成果主義の性格が強いアメリカ社会においては積極的に取り入れられるようになったそうです。

2017年に米・FlexJobs社とGlobal Workspace Analytics社が発表した「米就労者におけるテレワーク導入状況に関する調査レポート」は、アメリカ国内で、少なくとも半分の就業時間を在宅で作業しているテレワーク就労者数は、2005年から2015年にかけて115%増加し、2015年時点で400万人であったそう。ちなみに2015年時点でのアメリカの就業者数は1億4,883万4000人なので、全体の2.6%くらいがテレワーク就労した数字です。

その後、2019年の米Pew Reseach Centerによる発表では、就労者全体の7%(約840万人)がテレワーク就労しているとのこと。

コロナでの在宅勤務は60%超

そして2020年、一部の業種を除く全ての就労者に在宅勤務が義務付けられたアメリカでは、在宅勤務の割合は一気に加速。就労者全体の63%(2020年4月時点)が在宅勤務を行った(米Gallup社による調査)とのことです。

また、米Clutch社が2020年4月に発表した、アメリカ国内におけるテレワークの現状に関する調査では、コロナの影響で少なくとも週に一度は在宅勤務を行っている就労者の割合は全体の66%。週5日以上在宅勤務を行っている就労者は全体の44%とのこと。

さらに、その調査におけるアンケ―ト結果では「コロナにおける在宅勤務のメリットと課題に関して最も多く出された意見」は以下のようになっています。

コロナにおける在宅勤務のメリットと課題に関して最も多く出された意見

■メリット
・通勤しなくてよい 47%
・より柔軟なスケジュールで稼働できる 43%
・正装する必要がない 33%
・気が散らず静かな空間で取り組める 28%
・同居人/家族/ペットとより多くの時間を過ごせる 25%
・作業空間を自由に変えられる 14%

■課題
・同僚との共同作業が困難である 33%
・作業を中断しなければならない状況が多い 27%
・オフィスでの作業ルーティンを維持することが難しい 26%
・就業終了時間になっても仕事を切り上げられない 27%
・孤立・孤独感を感じる 21%
・Wi-Fi接続が不安定である 10%
(Clutchによる調査より)

日本も同様ですが、アメリカでもコロナの影響で在宅勤務に関する見方は大きく変わっておりテレワークに対するマイナスイメージはかなり低い状況のようです。

テレワークに必須のツール類

これらの実態調査から見えてきた、テレワークに必須とされるツール類は以下のようなものがあげられています。有名なツールが多いですが、もしあなたが技術やDXにかかわる部分で働いていて、聞いたことのないソフト名がある場合は名前だけでも調査してみることをお勧めします。

  • コミュニケーションツール類(Slack、Microsoft Teamsなど)
  • ビデオ会議ツール(Zoom、Skype、Google Meet、Cisco Webexなど)
  • プロジェクト管理ツール(Asana、Erello、Evernote、Podio、Basecampなど)
  • 時間管理ツール(Toggl、Timely、Everhourなど)
  • ワークフロー自動化ツール(Zapierなど)
  • セキュリティ強化ツール(VPN活用、LastPass、Bitdefender、DxOdysseyなど)

日本でのテレワーク導入率は全体の30%未満

株式会社パーソル総合研究所の調査によると、2020年5月25日に緊急事態宣言が全面的に解除されて以降、正社員のテレワーク実施率は全国平均で25.7%。緊急事態宣言時でも27.9%となっています。

正直「IT推進国とは言えないレベルでの低さではないか」と筆者は感じています( ゚Д゚)

テレワークの語源

ちなみに、テレワークという言葉の起源は、1973年にNASAのジャック・ニレス氏が、通信システム作業を自宅から行った作業のことを「テレコミューティング」と表現したのが始まりといわれています。

テレワーク、リモートワーク、在宅勤務の違い

ちょっとだけ補足。それぞれ正式な用語ではないので定義があるわけではないのですが、だいたい以下のような使いわけ方をされています。

リモートワーク:地理的に離れた場所に住む労働者における遠隔勤務
在宅勤務:自宅で作業する勤務
テレワーク:リモートワーク、在宅勤務を含み、デジタル環境が整備されたコワーキングスペースやカフェ、ラウンジなどにおける遠隔勤務

参考サイト

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