辛さ90万スコヴィルを超えるという、ペヤングの最終兵器『ペヤング獄激辛Final』。コンビニに普通に並んでいました。
確かタバスコが3000スコヴィルくらいで、ドンキとかに売られてるアフターデスソースで5万、サドンデスソースで10万スコヴィルです。んで国内でこれ以上のものを買おうと思ったら、よほどの輸入食品店などに行かねば手に入らないという認識だったんです、ワタシ。
コンビニで90万スコヴィルの食品が手に入る時代が来るとは、想像もしていませんでした、はい。
ま、そんなこんなで辛さの基準と言われてもピンときませんからねー、食べてみようかなーと、ある程度超えたら辛さ認識できないんじゃね?とかそんな感じで軽く考えていました。
ふたすすりからの地獄
人間、ひとすすり目ってあまり味を認識できてないんですね多分。ん、いけるかな?くらいのひとすすり目、で、もうひとすすりした時に体が全拒絶のムセを引き起こしました。
とにかく辛いとかではなく、痛い。くちびるが、舌が、焼きそばのふれたところが痛い。あまりに痛い。おそらくですが、ココで水を飲んだら負けます。二度と立ち上がれない敗北となります。
勢いよくもう一口、泣きながらもうひと口。ここらで、体調がおかしくなっていることに気づきます。
体の皮膚の薄いところから満遍なく汗が噴き出します。その汗が、焼きそばに触れた箇所に触れるとそこから激痛が走ります。
とにかく痛い、硬直して痛みを堪えようとしても、心音に合わせて痛みが身体中を駆け抜けます。やばい、これは、死ぬやつかもしれないと、身体が本気の警鐘を鳴らします。少し待てば、少しは痛みが引くかもと思ってみても、その気配は皆無。ただ呆然と痛みなのか辛さなのか、何が起こったかわからないものを耐えますが、その辛さは簡単には消えないという絶望が襲ってきます。
完全に思考停止した手元を見ると、ペヤングが……たかだか100gくらいの焼きそばが、まだ半分ほど残って置いてあります。割り箸で少し持ち上げて、口に入れようとするも、唇が痛い。口を開けると舌が痛い、その原因を口に追加することに、己が何と向き合っているのかが、わからなくなります。
食べ残すプライドとの葛藤の他に、「この劇物をうっかりシンクに流した場合に、誰かがこの劇物の被害を受けるのではないか」「下手に水などで流した場合に、下水処理場近辺の生態系が滅びるのではないか」「そもそも、コレを捨てるなどということが可能なのか」「しかし自分はコレに立ち向かえるのか」など時間にして数秒かもしれませんが、ものすごく色々な思いが脳裏によぎります。
その間も心音に合わせて唇は痛く脈打ち、ベロも痛い。身体中が痛いと悲鳴をあげています。
パッケージに描かれた、手をクロスさせた閻魔大王が脳裏によぎります。いま、自分はまさにこの状況で有ると、涙が止まりません。
顔を上げて、号泣しながら、横でアホの子を見る目で見てるカミさんに、手をバツ字にしながらひたすらに謝りました。
無理でした。
完食ならず。劇物を処分せねばなりませんが、動けません。動けるようになるまでにどれだけの時間がかかったことか。そのあと、流しでひたすら流水でベロを洗いました。痛い。
数時間後
メイドインアビスの上昇負荷の痛みに耐える子供のように丸まり、震えが止まりません。
涙も辛さを伴っていて、涙が流れた跡が痛みます。体の毛穴全てから出る液体がからみを伴っています。トイレに行くと、ちんこの先から軽く熱さを伴う液が出ます。多分痛いものですコレ。痛いけどまだ我慢できる痛み。この水は何なのでしょうか、もしかして生き物が水に擬態して精神を乗っ取ろうとしているのかも…などと黒い考えがグルグルして気がついたら寝落ちていました。
翌日
かなり回復したのですが、下腹部が熱い。明らかに何らかの遺物により体内から温められています。トイレに行くのが怖い…。でも行かねば。
辛いものを食べた後は、オケツが痛くなるとは聞いていましたが、なかなかそこまでに至ったことはないつもりでした。が、熱い。痛い。なるほど、コレは間違いなく辛味。辛いものの影響です。
ここにきて、あの辛さは何だったのかと。幻覚だったのではないか、とすら感じてきました。思い出そうとすると何故か左目が痙攣し、股間が痛くなる気がします。何らかのトラウマが体に刻み込まれたような気がしています。
それと同時に、もう一度試したら今度は行けるのではないか? などという愚かな考えもまた頭によぎります。もしかしたら、耐性がついたかも、とか。危険です。辛味の罠、危険です。
スコヴィル値をみて、確実に超えられると感じられるひと以外にはお勧めできない食べ物です。興味本位で手を出してはいけませぬ。なりませぬ。くれぐれも。何卒。
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